他には?他には?

カウンセリング

なんだかうまくいった日

カウンセリングをしていると、なぜかうまくいく日があります。「今日のカウンセリングはどれもなかなか上手くいったな」と思えるような、そんな日です。今日もそんな日でした。

なぜだろう。少し考えると、今日は普段あまりやらないことをやった気がします。

しつこく尋ねる

それは「しつこく尋ねる」ということです。「粘って尋ねる」と言ってもいいでしょう。そう、今日は粘ったのが良かったのかもしれません。

わたしはリソースの発見を大切にします。その人に潜在している資源(リソース)の発掘と開発です。たとえば、「どんなことが趣味なの?」などと訊いて、相手が話してくれたら、それを積極的に聴いて、そこから話を広げようとします。

ただ、今日はちょっとそれと違った聴き方だったように思います。

他には?

例えばクライエントさんが「アニメが好き」と言ったとしましょう。そうしますと、アニメの話になっていくわけですが、今日は「アニメが好きなんだね、他には?」という感じで重ねて尋ねていったのです。

「他には?他には?」と粘ってみました。このクライエントさんは、「自分には取り柄がない、人に話すようなことは何もない」という人だったので。

けっこう出てくる

すると相手は「他にですか?」と驚いた様子でした。そして、「昔フルマラソンを走ったことがあって、最近も走り始めていて、今度、ハーフマラソンに参加しようと思ってエントリーをしている」という話が出てきました。

えー!すごい取り柄ですよね。人に話すことは何もないどころか、満載じゃないですか。

だからさらに「他には?」と尋ねました。

すると、サッカーを10年間続けていたことや、昔、遊びで友達と映画を撮ったことなど、色々出てきました。

私は興味津々です。このクライエントさんは、どうして自分には取り柄がないとか、人に話すようなことは何もないなどと考えていたのでしょうか。

生き生きとしてくる

私がとても興味深く話を聞くので、クライエントさんも次第に乗ってきて生き生きと語り始めました。自分には取り柄がないというよりも、それを興味をもって話を聞いてくれる人がいなかったのでしょうか。

あるいは、「別にそんなことは大したことはない」と価値下げをする癖のようなものがこの人にはあるのでしょうか。

リソースの発掘

リソースの発掘には粘りが必要なのでしょう。意外と「他には?」と尋ねていくと、いろいろな側面をクライエントさんは語ってくれるものです。そして、話しているうちに元気になるというか、生き生きしてくるクライエントさんは少なくありません。

「他には?」「他には?」と聞いていくことは、追い込むような聴き方になるのでどうしても慎重になってしまいますが、もう少し使ってもよいような気がしています。

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