一瞬の良い表情

学ぶということ

入試の時に

 大学入試は、多くの生徒さんにとって、人生を左右するような分岐点の一つになると思います。受験生本人だけでなく、保護者も先生も、みんな真剣に応援しています。受験生を迎える大学側も、決して間違いがあってはならないと、かなり準備を整えます。そんな入試での一コマのお話です。

試験監督として

 大学入学共通テストでは、一人一人に問題冊子と解答用紙が配られていきます。そんな姿をテレビで見たことがある人も多いと思います。実は、配布する人の多くも応援モードです。一人一人に「力を出し切ってね」と心の中で伝えながら配布しているという人もいます。ですから「不正行為を見つけてやろう」などといった構えはほとんどないと思います。しかし、ここ最近、不正行為が毎年のように報道されています。公平を期すためにも、われわれは応援モードだけではだめなのだろうね、という話になることもあります。残念なことです。

一瞬顔を上げる生徒たち

 試験中はみんな真剣に問題に向き合っていますが、一瞬、ふっと顔を上げることがあります。どこを見るというわけではないのですが、一呼吸おくのでしょう、その表情は、本当に真剣で引き締まっています。普段ではなかなか見ることができない表情だと思います。本人たちも、ここまで真剣に向き合うという機会は、あまりないのではないでしょうかか。

実存不安

 最後は一人で向き合って乗り越えていかなければならない壁があるとき、我々は苦しみと不安を抱えるものですが、これは実存不安などと呼ばれています。学んだり挑戦するということは、今の自分を乗り越える、違った自分になるということですから、苦しく不安なのですが、これは新しい自分になるためにはどうしても必要な体験なのです。大学入試にチャレンジするということは、単に学力を試験するというだけでなく、この実存不安を耐え抜く力や実存不安を生きることによる充実感というものも学んでいるように思います。

 

 

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