わだかまりを消す方法

こころの成長

わたし、寝つきが悪いんです

 学生と話していると、寝つきが悪いという人が多いことに気づきます。夜、布団に入ってから、「あの人にあのような口の利き方をしてしまった、まずかったかな」、「今日のあの拙速な振る舞いは、みんなに誤解を与えたかもしれないな」、「今日のあの場面では言葉が足りなかったかな」などと、布団の中で一人反省会をしてしまうそうです。

自分の在り方を問う

 自分とは誰なのか、自分はどういう自分になりたいのか。人生の中で、一番切実にそういうことを考えるのが、青年期です。学生はその真っただ中にいるので、どうしても、反省会をして自分のことを繰り返し見つめ直すのでしょう。

瀬戸内寂聴さんの話

 確か瀬戸内寂聴さんがテレビかラジオで話していたことだと思いますが、なるほど、と思ったことがあります。夜、布団の中で一人反省会をするときは、「今日も私は人の悪口を言ってしまいました、ごめんなさい、もうしません」、「今日も人のことよりも自分のことばかりを優先してしまいました、ごめんなさい、もうしません」と、具体的に言葉にして、仏様に向かって素直に謝るのがいいそうです。そうすると、仏様はいつでも許してくれるそうです。それで気持ちを切り替えてぐっすり寝る!これがよいとのこと。

それでは、ダメなのでは?

 そして次の日。心機一転とおもいきや、私たちはまた同じような過ちを繰り返してしまいます。そして、布団の中での反省会。その時も「またやってしまいました、ごめんなさい。もうしません」と謝ります。そうすると仏様は許してくれます。

 そしてあくる日。「今日こそは!」と思っても、やっぱり、夜は布団で反省会。次の日も、その次の日も「ごめんなさい、もうしません」の連続。そのたびに仏様は許してくれます・・・。

 でもそれでは何にもならないのではないでしょうか?いえ、そんなことはありません。

ダメではないのです!

 毎晩「ごめんなさい、もうしません」を繰り返していると、いい加減、自分の愚かさにあきれてくるのだそうです。それはそうでしょうね。来る日も来る日も、やっぱり夜は反省会!ですからね。

 そして、自分にあきれてくる頃になると、他人に対してエラそうな態度はとれなくなったり、他人が少々まちがっても目くじらを立てなくなるのだとか。自分も相手も許せるようになっていって、心が穏やかになっていくそうです。

仏様のお導き

 「ごめんなさい、もうしません」を繰り返し、自分の愚かさを知ることで、だんだんと謙虚になっていくし、他人のことも許せるようになるんですね。すると、自分に対しても、他人にしてもわだかまりがなくなっていくのだそうです。「ごめんなさい、もうしません」によって、仏様はそのようなところにわれわれを導いてくれるのだそうです。

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