名前の由来

スクールカウンセリング

どうしてこの名前なの?

 スクールカウンセリングをしているとき、相談に来た子どもの名前を確認してから始めるのですが、この流れで名前の由来を尋ねることがあります。おもに、名づけ親と名前の由来を尋ねることが多いです。

親にとっての名づけ

 親にとって、生まれてきた子どもを名づけるということは、とても重要な仕事であり、とても気を遣うと思います。一度つけた名前は、なかなか変えることができませんので、丁寧に慎重に進められることでしょう。

 わが子の名前をどのようにつけたのかということで、親の子どもに対する期待、願い、配慮をうかがい知ることができます。家庭の中では誰の力が一番優勢なのかということもなんとなく見えてきます。

家庭内のパワー

 両親が一緒に考えて名づけたのか、祖父母が考えたのか、それとも神様に決めてもらったのか。両親が一緒に考えたという場合、両親の力関係はバランスが取れているのかもしれません。お父さんが考えてくれたという場合、大切なことの決定権は父親が持っているのかな、などと想像できます。

 祖父母が考えたというのであれば、伝統や上の世代を大切にする空気が家庭の中にあるのでしょうか。神様に決めてもらったという場合は、神様を大切にする両親や祖父母なのでしょう。

 このようにして、家庭の中で重要な決断や判断をするときに、誰がパワーを持つのかを推測できるように思います。

えっ?そんな名づけ方も?

 きょうだいが名づけたという人もいれば、自分がお腹の中にいるときにお母さんの友だちが呼んでいたのが今の名前、という子もいます。親御さんは重要な決断を避けて、他の人に預けてしまうようなところがあるのでしょうか。それとも、少し込み入った事情やうかがい知れない理由があるのかもしれません。想像は尽きません。

由来を語れる子

 名前の由来を語れる子は、意外と多いものです。自信をもって語る子も少なくありません。親御さんも、名前の由来をしっかりとわが子に話しているのでしょう。親子のきずなのようなものが感じられます。

 名前がひらがなという子も増えてきましたが、まだまだ漢字の方が圧倒的に多いようです。漢字が名前の由来と一致していると、この子は自己理解をしやすいし、自分がどう生きればいいのかの指針をそこから得られるのではないかと思うことがあります。名前は自分のアイデンティティですからね。

読めない名前

 逆に読めないような難しい漢字が並ぶと「これは何て読むの?」などと言われて、名前を説明して理解してもらう作業を、いちいち挟まなければならないように思います。ちょっと自分にも相手にも負担ですね。

 漢字を普通とは違った読み方をさせるような場合は、相手はまちがえやすくなるでしょう。すると、相手の間違いをいちいち修正しなければならず、相手を否定しなければならないところから、関係を始めなければならないこともありますので、これも大変そうです。

名前を大切に呼ぶこと

 名前一つをとっても、家族の雰囲気や家族の力関係、子どもに対する思いなどを想像できます。そして何より、子どもたちは嬉しそうに教えてくれますので、その名前に誇りを持っているのだろうなと感じることも多いものです。ですから、子どもの名前は大切に呼びたいものです。

 

 

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