手術直後に気づいたこと

カウンセリング

手術後

 昔、全身麻酔で手術をしたことがあります。それなりに大きな手術でした。徐々に麻酔から覚めたのですが、痛みが強く残り、もうろうとした意識の中で、目を開けるのも億劫になるほどぐったりしていました。そんな中で気づいたことです。

カーテンが真っ白でよかった

 ずっと目をつむったままというわけにもいきませんので、目を開けてまず気づいたことは、カーテンの色が真っ白で、それで救われたということでした。模様も何もなく、ただ真っ白だったので、刺激が少なかったからです。これがたくさんの模様が入っていたり、色が奇抜なものだったりすると、おそらくその刺激だけで、かなり身体にこたえたと思います。

花が真っ白でよかった

 もう一つはお見舞いの花が真っ白の花だったこと。これが色とりどりの花であったなら、やはり刺激が強すぎて、うまく受け入れることができなかったと思います。色によって自分がこれほど影響を受けるとは思っていもなかったので、貴重な経験でした。そして、真っ白い花を贈ってくれた人の繊細さや気遣いがとてもありがたかったことを思い出します。

うるさい声

 お見舞いに来てくれた家族は、ぐったりした私の姿を見て、耳元でささやくように「大丈夫?」「痛くない?」と声をかけてくれていました。ほかの患者さんの家族も同じような感じだったのですが、看護師だけは違いました。キンキンと響くような声で話しかけてくるのです。

 普段であればそれほど気にならないくらいの声だったと思います。しかし、かなり弱っている身体には、その看護師の声はきついものがありました。ただただ「静かにしてくれ」と思うだけでした。

音の大切さ

 精神科医にハリー・スタック・サリヴァンという有名な人がいます。彼は、患者さんと会話をするときには、話す内容よりも、まずは音(サウンド)の部分に気をつけるようにと助言しています。声の音の部分ですね。

 私は、カウンセリングをするとき、特に第一声は音の部分に気を付けています。内容は「こんにちは」程度でいいのですが、その音の部分がクライエントさんの心にピタリと届くといいなと願っています。できるだけ丸くて柔らかで歯切れのよい音になることを目指しています。

 これは意識してみると、なかなか難しいものです。声が届かず手前で落ちてしまったり、どこか違うところに行ってしまうようなこともよくあるからです。

 

 

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