意識と無意識の間の話

潜在意識

ある日の出がけのこと

 朝、仕事に行こうと思って部屋を出るとき、ふと天井を見上げました。そして、チラッと「あれ、何で天井なんか見上げているんだろう」と思ったのですが、その時はそれ以上何とも思わず、そのまま仕事に行きました。そして、夜、仕事から帰宅して、部屋の電気を付けようと思ってハッと気づきました。部屋の電気が切れていたので、蛍光灯の買い替えが必要だったのです。朝、天井を見上げた理由は、おそらくこれです。ほんのちょっとですが、蛍光灯のことを思い出させようとする意識が働いたのでしょう。

二種類の無意識

 意識というのは心理学の重要なトピックです。心には意識できる部分だけでなく、意識できない部分もあると想定されています。いわゆる無意識というやつです。この無意識も、”混沌とした自分勝手でわがままな欲望やエネルギーが渦巻いているものである”と考えるのか、そんなことはなく”知恵の宝庫で私たちを支えてくれているものである”と考えるのかによって、立場は大きく変わります。私は、無意識というものを、知恵の宝庫であると考える方が好きです。

前意識という考え方

 意識できない領域が無意識と呼ばれるわけですが、この意識と無意識の間には、前意識と呼ばれる領域も想定されます。これは、今現在では意識できていないけれども、思い出そうと思えば思い出せる領域です。誰かに質問をされたり、指摘されたり、ヒントを与えられたりすれば思い出せる領域といえるでしょう。上の天井の例は、無意識というよりも前意識レベルが働いて「蛍光灯が切れているよ!」「何か忘れてない?」と教えてくれていたのだと考えられます。

前意識への注目

 意識と前意識とを比べると、知覚できる領域は、前意識の方が圧倒的に広いと考えられます。前意識はたしかに意識しにくいのですが、たとえば、ふと思い付く、何となく見ている・やっている、といった何気ない一瞬の中で、意識化されることを待っています。前意識という未だ意識できていない領域があり、そこは知恵の宝庫であり、我々を支えてくれているという構えで日常を過ごしていると、自分が気づかなかった有益なヒントを得られることが多いと思います。前意識で察知している方向に向かって進んでいけば、意外と間違いがないような気がしています。

 

 

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