冬の日のお迎え
パートナーも私も二人とも働いています。ですので、わが家の子どもたちは、毎日近くに住むおじいちゃん・おばあちゃんの家で夕飯を食べていました。そこに仕事を終えた親が迎えに行くというのがルーティーンでした。
親も夕食を食べさせてもらって、そこから子どもたちを車に乗せて家に帰るのです。ありがたい暮らしをさせてもらっていました。
さて真冬の夜のことです。家に帰るころには車の中はすっかり外気と同じ冷たさになっています。凍えるような寒さです。子どもたちは「寒い寒い」というのですが、家が近かったので、暖房をつけても車内が温かくなってきたころには家に着いてしまうという感じでした。
ですから、よく子どもたちに暗示をかけて温めていました。
暗示をかける
暗示といっても大したものではありません。基本は「身体が温かくなってきたよ、ほら身体中が温かくなってきたね」を繰り返すだけです。次のような感じです。
「さっきのご飯が身体の中でエネルギーになって、身体がぽっぽ、ぽっぽしてくるよ!ぽっ、ぽっ、ぽっ、ぽっ、てね。かっか、かっかしてくるね。ほら、どんどん、どんどん暖かくなってきた。さっきのお肉とかご飯が身体の中でエネルギーになって火になるんだよ、ぽっぽっぽっぽってね、かーかっかっかっかっ!ってね。身体が温かくなってくるよ、どんどん暖かくなってきて汗が出てきそうだね。エネルギーがどんどんどんどん身体に回ってどんどんどんどん温かくなってくるよ!ほら、どんどんどんどん暖かくなってきたね!ほっぽぽっぽしてきたね!」
子どもたちの身体を軽くさすりながらこういう声かけを休みなくします。すると20秒ほどで本当に身体が温かくなってきて効果が出てきます。本当に汗がにじんできます。
私は自分で言っていますからこれでかなり暖かくなります。自己暗示です。言葉に出して休みなく言い続けることが大事です。
ポイントは?
ポイントは「どんどんどんどん」とか「ぽっぽぽっぽ」とか「かっかかっか」という温かさを感じられるオノマトペをたくさん入れること。あいだに「ほら!(言ったとおりになっているでしょ)」と誘ってみるのもいいですね。
もう一つは、「寒くない」という「~ない」という否定形でなく、「暖かくなる」「ほら暖かくなってきた!」と肯定形(現在完了形)を使うこと。
このポイントを取り入れて、あとは勢いで言い続けることです。10秒、15秒と言い続ければ効果が出てきます。20秒くらいで効果を感じられると思います。
学習効果?
子どもたちにとっては、自分たちで自己暗示をかけるよりも、私に声かけしてもらったほうが効き目ははるかに強いとのこと。暗示ですから信頼して頼りにしている人の声かけの効果は大きいのでしょう。
こういうことを繰り返していると、子どもたちも私も暗示の言葉ですぐに身体が温かくなっていくようになりました。最初より短い時間で温かくなっていくのです。学習効果ですね。
最近、ストレスマネジメントとして呼吸法やイメージ法がよく紹介されています。学校でも実践しているところもあるようです。ストレスマネジメントの本などを読んでみると、練習が必要なことについてはあまり強調していないようですが、私はこれにも練習が必要な気がしています。