野生的な勘

潜在意識

戦闘モード

以前、野性的な勘について書きました。その時、思い出した経験があります。中学校でスクールカウンセラーをしていた時の経験です。

生徒指導主事の先生は勤続20年を超えるベテランの先生でした。学校の生徒指導関係の情報は全てこの先生に集まってきます。

この中学校はやや荒れていましたから、この先生はいつも何かが起こるのではないかと身構えていました。常に戦闘モードで高いアンテナを張っていたと思います。

空き時間に

ある時、その先生は空き時間だったのでしょうか、グラウンドに通じる職員室の後ろの扉付近に椅子を置いて外を眺めていました。私はなかなか話す機会がないので、せっかくだからと話しかけました。

気さくな先生でしたから、生徒のことをいろいろと教えてくれました。そして、「子どもたちは最近は落ち着いてきた」という話をしてくれました。確かに生徒指導の案件が少なくなっていたそうです。

しかし、それとは反対に、先生は何かが気がかりな様子でした。「でもね、何か妙に静かなんだよね。」「こういう時って危ないよね」とその先生は話してくれました。

この学校の先生たちは生徒と向き合って粘り強く指導していました。だから私はその成果が出始めているのではないですか、などと言ってみたのですが、この先生は「うーん・・・」というお返事。

何かがおかしいと感じているようでした。

その瞬間

そしてその瞬間、その先生はハッとして「何か水の音が聞こえる」と言いだしました。私は耳を澄ましますが何も聞こえません。「何も聞こえませんけど」「いや、聞こえる。西校舎脇の水道か」と言いながら見に行く様子だったので私もついていきました。

ただ、西校舎というのは職員室のある場所からは別棟の離れた場所にあります。職員室からは全く見えない場所です。距離にして25メートルくらいは離れていたと思います。かなり距離があります。水道の水の音など聞こえるはずはないのですが、でも先生は「確かに聞こえる」と言っていました。

そして、水はたしかに流れていました。4つある蛇口のすべてから水が流れています。授業中でしたので、明らかに誰かのいたずらだったと思います。

その後

この生徒指導主事の先生は、どの生徒がこれをしたのかについて、あたりをつけはじめました。

「あの子は、今、親子関係がうまくいっていないし、仲の良い〇〇はまだ登校していない。あの子は今は苦手な△△の授業のはずだから、あの子の可能性が高いな」

どうやらそれは当たっていたようです。この学校には400人近い生徒がいましたから、その中から犯人の子を素早く見つけ出したのは素晴らしいのですが、驚いたのは、その前の水の音が聞こえたことでした。私には全く聞こえなかったので不思議な出来事でした。

まとめ

これは野生の勘といいますか、過覚醒状態における知覚の敏感さが影響しているのだと思います。獲物(起こりうる問題)の気配を察知しようとして、アンテナを高く張っている状態のときの知覚です。

「何かおかしい」「妙に静かだ」と言いながら耳をそばだてて、今そこにいる獲物を捕らえようとしている状態だったのでしょう。すると、普段では聞こえないはずの音が聞こえてくる。

そういうことがあるのだということを学んだ出来事でした。

 

 

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