卒業式直前のグラウンド
卒業式の季節です。この季節になると思い出す光景があります。それは卒業間近の中3の女子生徒たちの姿です。
3月に入ったある日。二階の相談室から休み時間のグラウンドをぼんやりと眺めていました。女子生徒7,8人がきれいな輪になってバレーボールをはじめました。
よく見ると中3の女子たちです。その中の何人かはよく相談室に来ていました。親や教師に対する愚痴を言ったり、教室が苦しくて登校しにくくなったり、友人関係に悩んだりと、いろいろな相談がありました。
中1のころ
この生徒たちが中1のころは、学年全体が落ち着かず、登校できなくなる生徒も続発していました。そんな中、先生たちは丁寧に声をかけ、楽しいイベントを考えたりして、少しづつ生徒の心をつかんでいきました。
この子たちが相談室に来ていたのはちょうどその頃でした。そのときも、私は相談室から外を眺めてグラウンドの生徒の様子を観察していました。そして、当時もバレーボールをするこの当時中1生だった生徒たちを見ていました。
成り立たない
バレーボールと言っても、休み時間ですから、簡単にパスをするだけです。ネットを張って試合をするわけではありません。ところが、この簡単なことが全く成り立っていませんでした。
生徒たちは、適当に散らばって、好きなようにボールをパスしています。5,6人でやっているのですが、上手な子同士でパスをし続ける感じになって、他の子はボールに触れなかったり、球拾いのように動いているだけです。
皆がバラバラで勝手気ままにボールを打つので、一緒に遊んでいるという感じではありませんでした。そこには相手への配慮や気配りも全くない状態。そして、休み時間は終わってしまいます。
こういう状態でしたから、当時は、だれが嫌いだとか、だれがわがままで困るとか、そういう相談ばかりでした。
中3になって
そして、卒業間近の中3の春。中1の時とは多少メンバーは変わっていますが、互いに均等に離れてキレイな輪を作り、他の子にも配慮しながら、みんなが等しく楽しめるようにパス回しをしていました。
中1の時のようなガチャガチャした様子はなく、落ち着いた大人の雰囲気がありました。本人たちに自覚があるかは分かりませんが。そんな姿を見ていると、子どもたちの成長やそれを支え続けた先生たちの努力に敬意を表したくなります。
学校に毎日通って、その中で困ったり葛藤を抱えたりしながら、そういう力を自然と身につけていくのだと思います。学校にはそういう人を教育する力があります。この時期は、ふっとそんな光景を思い出します。そして教育の力というものを改めて感じます。
